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スイーツの女神

2024年11月18日 15時00分
使用モデル名:kiwimixXL
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト

午前に降っていた雨もあがり、この日は午後からスタジオ撮影でした。パティスリーで今度スイーツフェアをやるので、その告知用のポスターを作るために「モデルの女の子を仰向けに寝かせて、その周りに当店のスイーツを散りばめた」感じの写真が欲しいという依頼です。依頼主のパティシエも、彼が持ってきた大量のスイーツも、撮影スタッフも揃っているのですが、肝心のモデルの子が時間になっても現れないのです。どうしたんだろう、と皆で話していると、撮影監督が大慌てで駆け込んできました。 「モデルの子、来られなくなったと事務所から連絡が!」 我々一同は驚き、監督に事情を聞きました。何でも、彼女はここに向かう途中にバイク男からショルダーバッグのひったくりをされたそうです。ひったくり犯の方は、居合わせた銀髪のサラリーマンが持っていた傘で居合切り一閃、切り捨て御免にしたためにすぐに捕まりバッグも無事だったのですが、最悪だったのはモデルの子の状態でした。ショルダーバッグを取られる際に、肩ひもが腕に絡まってしまい、そのまま顔面からアスファルトに転び、バイクで数メートルも引きずられたというのです。顔は深い擦り傷が無数につき、前歯も折れてしまうという結果になり、その惨状を聞いたスタッフ一同はあまりの痛ましさに何も言えませんでした。当然、彼女は病院に搬送されましたが物理的にも心理的にも深いダメージを負っていて、たとえ日を改めたとしても撮影は無理だという事です。 「なんとか代わりの子を出せる事務所がないか聞いてみるから、皆は休憩しててくれ」 監督とパティシエが対応を協議しながら、他のモデル事務所へ連絡を始めました。しかし経験上、そうそう簡単に代えの人材など見つからないし、見つかったとしても撮影時間は相当に押すでしょう。撮影用のスイーツも、その価格と物量からかなりのコストな上に、日持ちしないので後日もう一回用意してくれとパティシエに頼むのもかなり心苦しいところです。 何かいい案がないかとスタジオを出ると、丁度桃宮ちゃんが下校してくるところでした。 「あっ、凪おじさん!今日はここで仕事してんのー?」 最高のタイミングだ。最高の人材だ。もう桃宮ちゃんに頼むしか考えられない! 「桃宮ちゃん、君は女神だ。メガミヤちゃんだ」 「そのあだ名新しすぎん!?ヤバ!」 桃宮ちゃんに今の状況を説明して、撮影モデルになってくれないかと聞いたら、即時OKが出ました。 「そのパティスリー、すっごいおいしいから鬼リピしてるんだー!そのフェア絶対行くし!」 桃宮ちゃんを連れてスタジオに戻り、監督とパティシエに引き合わせます。桃宮ちゃんの生来のコミュ力と見た目の良さから、もうこの子を代役にしようという話ですぐにまとまりました。ただ、学校を特定できる制服のままはマズいので、いったんパティシエの車で桃宮ちゃんを彼女の自宅へ送ってもらい、私服に着替えた後スタジオに戻ってきてもらう形になりました。 桃宮ちゃんにはモデルの経験が無いので、ちょっと撮影は難航するかなとも思ったのですが、全然そんな事はなく実にスムーズでした。撮影が終わる頃には夕飯時でしたが、せっかくなのでスイーツを皆で食べてほしいとパティシエが撮影に使ったスイーツをくれました。そしてパティシエは写真データを受け取ると満足そうに帰っていきました。 「ん~!やっぱ最高ー!」 残された我々のうち、桃宮ちゃんは実に幸せそうにスイーツを頬張っていますが、スタッフはそこまで大量に食べられません。何せカロリーが高いので、胃にくるのです。しかしまだまだスイーツは余っています。 「残ったスイーツ、どうしようか?」 監督がちょっと持て余し気味に言います。一度撮影スタジオに並べたものを売り物にする訳にもいかないから、パティシエにもう一回スタジオに来て持って帰れというのも酷な話です。でも、桃宮ちゃんなら食べきれるんじゃないかな。 「それなら、桃宮ちゃんに持って帰ってもらいましょう。今日一番の功労者ですし、何より彼女はスイーツ大好きですから」 「いや、しかしね。そんなに食べたら太ってしまわないかい?」 監督が心配しますが、桃宮ちゃんは私の提案に目を輝かせています。 「大丈夫です!私、食べてもお腹じゃなくて胸に行くタイプなので!」 その言葉に、スタッフ一同が桃宮ちゃんの胸を見たのが分かりました。だよね、そんな話されたら誰でも見るよそりゃあ。 「ま、まあそういう事なら、どうぞ」 「わぁい!」 桃宮ちゃんがひょいひょいと箱にスイーツを入れていきます。結構な大荷物になるし、もうすっかり日没しているので、私が荷物運びを手伝いつつ桃宮ちゃんを送っていく事になりました。暗くなった夜道を、二人並んで歩きます。 「凪おじさん、今日はありがとー!撮影楽しかったし、スイーツおいしかったし、もう最高に幸せだよ!」 「こっちこそ助かったよ。ありがとうね、桃宮ちゃん」 頭を撫でてあげると、桃宮ちゃんは嬉しそうに目を細めました。そんな風なやり取りをしながらしばらく歩くと、桃宮ちゃんの家につきました。 「えへへー。今日はすっごい良い思いさせてもらっちゃったから、何かお礼するね」 「うん、楽しみにしてるよ」 沢山のスイーツを抱えて帰宅する桃宮ちゃんを見送った後、私も自宅に戻ります。これでとりあえずのスケジュールは片付いたので、後は風景写真を撮りにいく準備です。 「とりあえず、自然公園の森あたりかな・・・」 満足いく写真が撮れるといいのですが・・・最近女性ばっかり撮影してたせいで勘が鈍っているのは間違いないし。

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五月雨
2024年11月18日 15時48分

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、基本的にR18作品はほぼ投稿しません。※運営様によってR18に分類される可能性はあります。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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