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除草作戦(3/5)

2024年10月20日 03時32分
使用モデル名:ProfiteroleMix
対象年齢:R15
スタイル:イラスト

パーティの開始時間となり、宿城が挨拶を始めました。時候の挨拶、このホテルが城を改装したものだというロケーションの説明、昨年度の業績まとめなどなど、段取り通りに話が進んでいきます。いよいよ次です。 「ここで、お集りの皆様に重大発表があります。なんとこの度、私こと宿城サイトは金剛院グループの次期当主である金剛院晶さんの正式な婚約者として、金剛院グループ現当主であります金剛院王歩さんよりお認めいただけました!」 ついに、宿城が婚約を発表しました。早速取材班がフラッシュを焚き、編集部へ連絡を始めます。私はこれからこの状況を覆し、王歩さんから「婚約は無し」と言わせなければなりません。まずは、金剛院グループのテーブルから晶さんと王歩さんが立ち上がります。 「皆様、金剛院王歩です。私の不肖の娘である晶と、ヤドリギカンパニー社長である宿城サイト君の婚約、拍手をもって祝福いただけましたら幸いです」 会場から大きな拍手が巻き起こります。ちなみに私と桜一文字さんは、拍手のポーズはとっていますが、手を触れ合わせてはいません。拍手がおさまると、晶さんがマイクを手に取ります。 「金剛院晶です。皆様、ご祝福ありがとう存じます。今回のお話、誠に光栄の至りですわ。あまりの感激に、遠方に住まう友人にまで報告してしまいました。もちろん、その後で口止めはいたしましたが」 冗談めかして言う晶さんに対し、会場から少し笑い声があがりました。 「実はその友人からビデオレターが届いているそうですの。この町に住むわたくしの友人の代表として、早渚凪さんにお預かりしていただいておりますわ。ぜひ、彼のスピーチとそのビデオレターを皆様のお耳に触れさせていただきたく思います」 晶さんが私を紹介します。私は前に進み出て、大型モニターの真下、PCなどの機材の置かれた机に移動しました。 「ご紹介にあずかりました、カメラマンをしております、早渚凪と申します。この度は宿城サイト様、金剛院晶様、ご婚約おめでとうございます。心よりの祝福をお送りいたします」 適当に考えた無難な挨拶もそこそこに、私はPCにUSBメモリを挿入しました。中身はもちろんフェイク証拠です。私はまず、スライドショーを起動しました。 「あっ、申し訳ありません、変なファイルを開いてしまいました」 口ではそう言いながらモニターを見上げると、そこには宿城がホテル街で女子高生を口説いているような写真が次々と連続で表示されます。会場が一気にざわつきました。宿城も写真を見て、大声をあげます。 「おい君!何だその写真は!」 「申し訳ありません、私にも分かりません!誰かの悪戯かも・・・すぐ停止します!」 私はPCに飛びつき、スライドショーを閉じながら動画ファイルを起動しました。 「ちょっと、やだ!放して、帰して!」 男たちに腕を捕まえられながらホテルの部屋に連れ込まれる雅ちゃんが映し出されました。会場の目がモニターに釘付けになったタイミングで、私が合成した宿城の音声が流れます。 「おい、俺がカメラに映らないように気を付けろ」 音声は宿城が動画サイトに上げているPR動画などをうまい事切り抜いて作ったもので、よく聞くとつなぎが荒い部分もありますが、この雰囲気の中でそれを一度で聞き分けるのは難しいでしょう。 「おい、あれを止めろ」 宿城が鋭く指示を出すと、非常口から宿城の部下の黒服がぞろぞろと入ってきて、私に向かってきます。 「桜一文字!」 晶さんが叫ぶと、桜一文字さんが矢のような速さで私と黒服たちの間に割って入りました。そして黒服たちは宙を舞いました。ちょっと桜一文字さんの動きが速すぎてよく見えなかったんですが、まるで・・・そう、『まゆたんのカンフー』みたいな動きで黒服の男たちを蹴散らした・・・のかな?突然起きた乱闘騒ぎに、招待客も驚いて壁際まで避難します。それでも皆、モニターからは目を離しません。 「あっ、あっ、やぁだっ!ママ、助けてぇ!ママー!」 「うるせえ、お前がママになるんだよ!」 雅ちゃんが男たちに服をむしり取られてベッドに押し倒されます。そこでもう一度、合成音声の宿城が喋りました。 「いつも通りにしておけよ」 「はい、誰かに言ったら裸の写真と学生証、それにこの動画をネットにばらまくって脅すって事ですね。分かってますよ」 この返事をした男の声は、玄葉がボイスチェンジャー使って演じてくれました。普段からイケボ配信してるから男の声やるの慣れてるなぁ。 「ディープフェイクだ!これは全くの事実無根な誹謗中傷だ!」 宿城が絶叫します。と、モニターがブラックアウトしました。モニターの方のブレーカーを落とされたか。しかし、ここまで映像が流れればこの後どうなったかなんて、誰の目にも明らかでしょう。会場は大きくざわつき、取材班も大慌てです。 「静まりなさい!」 そんな会場を、一声で黙らせた人がいました。王歩さんです。彼は私の前まで歩いてくると、PCを覗き込みました。 「早渚君、これは一体どういうつもりだ。このUSBメモリ、晶の言ったビデオレターは入っていないようだが?最初から宿城サイト君を貶めるつもりだったとしか思えん」 「お父様!」 「晶、お前は黙っていなさい」 制止しようとする晶さんを一声で抑えると、王歩さんは私に詰め寄りました。 「宿城君の言う通り、これはディープフェイクだ。実はね、晶の屋敷の使用人からリークが入っていたのだ。君が宿城君を陥れるための工作をしていると」 一気に冷や汗が噴き出ました。これは予想外の事態です。まさか、金剛院邸の人から王歩さんに連絡がいっていたなんて・・・! 「合成写真に、やらせの偽装ポルノ・・・全部、君の自宅のPCを調べれば痕跡が出るだろう。本当に残念だよ。晶の友人である君がこんなことをするなんて、信じたくなかった」 「う・・・ぐ・・・」 まずい。私の自宅PCには確かに、その痕跡が残っているはずです。 「だが実際にやってしまったのなら、私としても容赦はできない。君には法的な処罰を受けてもらおう」 王歩さんの目が、私を鋭く射抜きました。

コメント (1)

猫団子🐈‍⬛🍡
2024年10月20日 10時03分

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、基本的にR18作品はほぼ投稿しません。※運営様によってR18に分類される可能性はあります。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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