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緑の中を走りぬけてく真っ赤なエルフ

2024年09月12日 16時01分
使用モデル名:CustomModel(その他)
対象年齢:全年齢
スタイル:リアル
参加お題:

「翠影の交錯と剣の行方」 「緑の中を走るって、気持ちいいよね。恋と一緒だな。」 セリアは満面の笑みで大森林の中を駆け抜けていた。エルフの長い耳が風を切る音とともに跳ね、背中の剣がかすかに揺れる。 「おい、セリア!ちょっと落ち着け!」 後ろから追いかけてくるのはドワーフのグラム。彼の短い足で彼女を追うのは不可能に近いが、そんなことを気にするセリアではない。森の緑が目に鮮やかに映り、彼女の足は止まらない。 「グラム、もっと速く走れないの?ほら、恋と一緒だよ!」 「何の話だよ!走るのと恋は関係ないだろ!」と彼は息を切らせながら叫ぶ。 数時間後、二人は村に戻ってきた。交差点に差し掛かると、隣を走るエルフの男が突然怒鳴り声を上げた。 「おい、お前!俺のショルダーアーマーこすっただろ!どうしてくれるんだ!」 その男は、青銅の肩当てを指さし、セリアに詰め寄った。 「あら、そんなに気にすること?そっちのせいよ。恋と一緒だな。」 セリアは軽く肩をすくめ、笑い飛ばした。 だが、その瞬間、男は彼女に手を伸ばそうとした。セリアはその態度に全く動じず、むしろ楽しげに笑っていた。 「まあまあ、そんなにカリカリしないで。大したことじゃないよ。」 「冗談、顔だけにしろよ!」と男が突っ込むが、時すでに遅し。 「えいっ!」 セリアは軽く剣を抜き、そのままその男を真っ二つに切り裂いた。 「うわっ!何してんだよ!」グラムは驚いて後ずさりするが、セリアはまるで何事もなかったかのように、剣をさっと収める。 「これでいいでしょ?さあ、行こ!」 「いやいや、いいわけないだろ!」とグラムが叫ぶが、セリアはすでに歩き始め、近くの酒場に入って行った。 店の外では真っ二つにされた男が倒れ込み、グラムに向かって懇願するように叫んだ。 「助けてくれ!死んじまう!」 「まったく…セリアのせいで、俺がこんなことをする羽目になるとはな。」 グラムはため息をつきながら男に近寄り、手を翳した。彼はドワーフとしては珍しく白魔法が使えるが、得意というわけではなかった。 「しっかりしろ…今から蘇生の魔法を掛ける。」 彼は少し緊張しながら、魔法の詠唱を始めた。 「アルト・バイタル・エーレス…」 魔法の言葉が静かに口から漏れる。が、何かが間違っているのか、何度やっても男はピクリとも動かない。 「くそっ!こんな時に限って魔力が足りないなんて…」 グラムは焦りつつも、何とかもう一度挑戦することに決めた。今度は、全身全霊をかけて魔法の力を込めた。 「よし、これで…どうだ!」 すると、男の体が僅かに反応し始め、ゆっくりと息を吹き返した。 「…助かったか?」 男は青ざめた顔でグラムを見上げ、弱々しく笑った。 「ふぅ、何とか成功したみたいだな。でももう二度とやらねえぞ。」 グラムは汗をぬぐい、立ち上がると、男をその場に残してさっさと酒場へ向かう。 酒場に入ると、そこは騒然としていた。セリアはカウンターの上でおっさんたちに囲まれ、大声で笑いながら酒を煽っていた。 「ねえ、グラム!みんなと一緒に飲んでるよ!恋と一緒だな!」 セリアは顔を真っ赤に染め、すっかり酔い潰れていた。おっさんたちも同様で、笑い声が店中に響き渡っていた。 「なんだこれは…」 グラムは思わず頭を抱え、酒に溺れるセリアをじっと見つめた。 「どうせお前はまた面倒ごとを増やしただけだな。」 ため息をつきつつ、グラムはそのままセリアを放っておき、店の奥に座っているマスターに目を向けた。マスターはカウンター越しにグラムを見て微笑んだ。 「グラム、今日はお疲れさんだったね。」 マスターは低く甘い声で声を掛けた。 「ふん、まぁ、こんな状態じゃセリアの面倒も見切れないな。」 グラムは軽く首を傾けた。 セリアが床に転がり、完全に潰れている間、グラムとマスターは静かに話をしていた。 「グラム、あんたあんなエルフと一緒にいるなんてもったいないぜ。」 マスターはウィンクしながら言ったが、グラムは鼻で笑った。 「まったくだ。だが、あいつはあいつで面白いところもあるんだよな。なんだかんだで憎めない。」 そう言いながら、グラムはちらりと床で寝ているセリアを見た。彼女の髪が乱れ、剣はカウンターの下に転がっている。 「冗談、顔だけにしろよ…」 グラムは苦笑しながら、グラスの中の酒を静かに飲み干した。 すると突然背後から聞き慣れた声が響いた。 「グラム!傷は治ったが、まだ上半身と下半身がくっついてないぞ!」 振り返ると、そこには真っ二つにされた男が、上半身だけで何とか店にたどり着いた姿があった。 「…なんでまだそんな状態なんだ?」 グラムは眉をひそめ、頭をかきながら答えた。確かに蘇生は成功したはずだが、男の体はまだ完全にはつながっていなかった。男は怒り混じりの表情で言った。 「助けてくれ!俺はまだまともに歩けないし、腰から下がどこかに行ったままだ!」 そう叫ぶ男の姿は滑稽にも見えたが、グラムはそれを笑い飛ばす気力もなく、再び頭を抱えた。 「ったく、まだ魔力が回復してねえんだよ。もう少し待ってくれ。」 グラムは言い訳がましく答えたが、男はそんな言葉で納得する様子はなかった。 「待てるか!俺はこのままじゃ何もできない!」 「まぁ、そんなに怒るな。今は何もできないけど…エーテルのカクテルでもおごってくれれば、回復も早まるかもしれないぞ?」 グラムは苦笑いしながら、酒場のマスターに目を向けた。 男は驚いた顔でグラムを見た。 「俺がおごるのか?」 「そうだ。お前の体を治すには、魔力を補充しなきゃな。」 グラムは平然と説明し、すでに次の注文を待っている様子だった。 男は呆れつつも、仕方なく財布を取り出し、マスターに向かって言った。 「エーテルカクテルを一杯、こいつに持ってきてくれ!」 エーテルカクテルがカウンターに出されると、グラムは満足そうにグラスを手に取り、一口飲んだ。青く輝く液体が喉を通り抜け、彼の体内に魔力が戻っていく感覚が広がる。 「うん、これで少しは調子が良くなりそうだ。」 グラムはグラスを置き、目を閉じて集中した。 「あとはお前の下半身を見つけて、つなげれば終わりだ。」 グラムは自信ありげに言ったが、男は険しい表情で答えた。 「その下半身がどこに行ったのか、俺も分からないんだ!」 グラムは一瞬固まり、店の中を見回した。すると、酔っ払いの一人が「俺、さっき店の外で変な足だけの物体が歩いているのを見たぞ!」と、笑いながら言ってきた。 「何だそれ!?」とグラムは驚いたが、もう何でもありの状況に、全く動じる気力はなかった。 「ま、まあとにかく、探してきてくれよな。その間、俺はここで休んでるからさ。」 グラムは再びエーテルカクテルを飲みながら、悠然と続けた。 「冗談、顔だけにしろよ!」と男が半ば呆れながら叫んだが、グラムは涼しい顔で一言。 「飲み終わったら考えるさ、恋と一緒だな。」 外にはまた、夜の冷たい風が木々を揺らし、雲の切れ間から星が煌めいていた。 風が穏やかに木々を撫で、空の広がりは無限に続くように見える。雲一つない大気は透明に輝き、光が葉の間を通り抜けて

コメント (2)

ガボドゲ
2024年09月13日 02時36分
JACK
2024年09月12日 18時58分

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いいねコメントありがとうございます。忙しくなって活動を縮小しています。返せなかったらすみません。

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