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煩悩滅却すれば火もまた涼し

「よーし、ここが、滝行が出来るパワースポットね」 ブロント少尉は、紅葉が色づいている山間の谷に、踏み入れた。 山中のちょっとした池があり、それほど高くはない滝が注ぎ、小川が紅葉の赤を照り返して清らかに流れている。 少尉は、なぜか無地の着物、たぶん滝行とかで着ているイメージの白い作務衣を纏っている。 谷に踏み入れる前にわざわざ着替えたらしい。 「ここで修行すれば、新たな力に目覚めるに違いないわ。うひ、ニンジャにクラスチェンジしたりして!!」 ブロント少尉は意味不明な言葉を紡ぐと、纏っていた白い作務衣を脱ぎすてる。。 なぜか、ブロント少尉は、作務衣の下は、白い体操着にブルマだった。 「おーうっ、寒い!!でも、若い娘は運動するときは、トレーニングウエア以外、上に着ちゃいけないっていうからね。 修行だって同じだわ!! こんな、はずか……、寒い格好になるのは当然ね!!」 ブロント少尉は、秋も深まる山中にも拘わらず、真夏のマラソン中の女学生みたいな恰好で、池に入り、滝に近づいていく。 「ひゃっ、やっぱり冷たい!!でも、我慢我慢!!」 脚と手に触れただけでも、その冷たさと勢いは、体を冷え切らせ結構な衝撃を与えるが、ブロント少尉は動じない。 「よーし、この下に座って、水を受ければよいのね」 ブロント少尉は滝の水を金髪ポニーテールの頭に受けながら、岩の上に正座した。 座禅のやり方などわからないけど、冷たい水に耐えながら、何となく祈りを捧げる姿勢をとる。 「煩悩滅却煩悩滅却」 白い体操着は冷たい水がしみて、下着が透けて見えて、むき出しの太ももは血の気を失っていくがなんのその。 ブロント少尉は耐えづづける。 「少尉!!何やってるんだ!!」 「はえ……、隊長がいるです。わたし、煩悩滅却してるのに……」 意識がもうろうとしているらしい、ブロント少尉を、隊長が抱きかかえるようにして滝の中から引っ張り出す。 「まったく、こんな寒くなっているのに、一体何やっているんだ!!」 「何って……、修行ですよ。煩悩滅却していたんです」 ブロント少尉は隊長に抱き着くようにしながら、震える声で答える。 「煩悩?そんな(煩悩の塊みたいな)格好して、何を言っている」 「はえ、日本の女学生は、真冬でもこの格好で訓練するんですよね。 煩悩滅却すれば、火もまた涼しって。 学生がやっていることなのに、私がやらないわけには……」 そこまで言って、ブロント少尉は抱き着いたまま、隊長の顔を見つめる。 「隊長……、温かい。私、煩悩……、滅却してない。 隊長……、私、バカだから、体で修業しないとダメみたいです……」 二人は、もつれあったまま水面に倒れこんだ。

さかいきしお

コメント (4)

Crabkanicancer
2023年11月13日 14時35分
binbin yea
2023年11月13日 14時00分
Lsream

そして翌日、隊長だけが風邪で欠勤・・・と。ノウキンハカゼヲヒカナイ..メモメモ〆(. . )

2023年11月13日 11時41分
bonkotu3
2023年11月13日 08時39分

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