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ブルマと修行とニーショット
「まったく、監視……、護衛する方の身にもなってほしいわね」 迷彩服を着た少女が、紅葉に染まった森の中から双眼鏡をもって向かいの滝を監視している。 監視対象は、滝の前で白い和服、浴衣か作務衣と呼ばれる服を着て何やら始めるようだ。 「おわ!!なっ、なによ。若いからってわざわざそんな格好して……。似合ってはいるけど」 監視対象、ブロント少尉は、作務衣を脱ぐと、その下は女子学生のような体操着とブルマだったのだ。 呆れたような感心するような、それとも憧憬でもあるのか呟くシルビア伍長。 「まあ、さすが暴食天使で、脳筋魔王ね。元気なものだわ。 ・・・・・・、 でも、以外と様になっているわね」 この寒くて冷たいだろうに、祈りの姿勢を取りながら、滝に打たれているブロント少尉を、呆れながら監視続けるシルビア伍長だったが。 なぜか真っ赤な顔をして、食い入るように双眼鏡を押し当てている。 「あら、隊長……、やっぱりただ者じゃないわね。少尉にあれだけ遅れて出発したのに、もうたどり着くなんて。」 彼女とブロント少尉の隊長である、髭を生やした中年の男は濡れるのもかまわず池に入ると、もうろうとしたまま滝行を続けている少尉を抱きかかえると?責している。 「まあね、よっぽどの馬鹿じゃない限り、この時期に一人で滝行なんかしないわ」 双眼鏡越しに観察しながら呟くシルビア伍長だが。 ”ドボン”、と水音こそ聞こえなかったものの、二人で冷たい水の中に倒れこんだのを見て。 「なっ、なに、あの二人、まさかあのままおっぱじめるの!! イルカじゃあるまいしあんな冷たい水の中!! ネイビーシールズだってそんなことしないわよ!!」 驚いてよくわからない事を叫んでしまうシルビア伍長。 「あっ、もう、そんなことまで。脳筋バカ娘!!これ以上属性増やすな!! アッ、アンジェ……、あんな格好のまま、隊長の変態!!」 滝の近くにある、外湯の掘っ立て小屋から二人が出てくるのを確認して……。 「はあ、はあ……。私も馬鹿をひいた、いえ、馬鹿が移ったかしら」 1人で、小声で怒鳴り続けていて鼻血が出るほど血が上ってしまったシルビア伍長は、荒い息と共に呟くのだった。 翌朝 「あれ、シルビア伍長、なんか今日は、疲れていない?」 ブロント少尉がいぶかし気に声をかける。 少尉のお肌は剥きたての卵みたいに、つるつる、つやつやである。 「少尉、今度の御休みは、お部屋で一緒にゲームでもして過ごしましょうか」 シルビア伍長は、げっそりとした顔で答えた。