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Otaku of strawberry

東京 JAPAN 某所 「あいつが、例のハッカーですか とても、そんな大それたことができる人間には見えませんが」 標的のハッカーを尾行しながら彼女が言う 数十メートルほど先を歩くのは、中背で肥満した体形、ぼさぼさの髪、 アニメのキャラクターが描かれたシャツを着て、 無駄にでかい鞄を持っている男だ なぜだか、先ほど露店で買ったいちごを頬張りながら歩いている いわゆるナード、いや、この国発祥の国際共通用語、Otaku と言ったほうが伝わりやすいか 彼女が生きている世界で、無駄に太っている男はあまりいないからな 「ああ、連中は、見た目とやることが一致しないことがある 自分自身、悪事を働いている自覚はないのかもしれんな まあ、コンピュータの技能はかなりの物で、奴を抑えれば、必要なネタはそろうだろう」 Otaku は、特に背後を気にするわけでもなく、すたすたと歩いていく 「行先はわかっているな 店で合流するぞ 変装して来い」 「了解」 例のOtaku ハッカーの行きつけの店に潜入したのだがしかし 「隊長、やっぱりあの人、怪しいですね」 Otaku を監視できる席に陣取ったのはよいが 「おい、そんなに近づくな そもそも、その格好はなんだ」 彼女は、この国の高校生の制服、に似た服を着ていた。 「私、しらべました。 この国では私ぐらいの年頃の女性は、隊長ぐらいの年の男性と二人で会うときは、こんな格好をするって」 そりゃ、事案になって目立っただけだ!! 「Oh!!注目を浴びてる気がします カバーが剥がれそうです 隊長、もっと自然にカップルになり切らないと いちご食べますか」 「ばっ、バカやめろ、もうちょっと離れろ」 「Oh,そうでした。デートの時カップルはお互い食べさせてあげるんですね これはコミックで読んだ話だから、嘘だと思っていました Here you go!!」 「ばっ、バカ、スプーンをひっこめろ」 (いっ、いかん、何となくそうじゃないかと思っていたが、 こいつ、荒事以外だと使い物にならんぞ) (しかも日本語で話すとアホになるときてる) 「あー、もしもし、あなた方、少しよろしいかな」 (目立ちすぎたか。奴が呼びやがったか) 視界の隅で、こちらをにやつきながら見ているナードを捉えながら、話しかけてきた男に向き直る 「Oh,ジャパンのMPですか。 私たちは正規の任務中です 妨害するなら排除しますよ」 スパーン!! 「OUCH!!」 すかさず金髪の頭をはって、取り繕う 「あ、すいません。 こいつ、外国から来たばかりで、日本に憧れているんだけど、頑張りすぎなところがあって」 「Why am I being hit?」 「・・・、東京の治安は我々が守っております。 漫画みたいなことは起こりませんよ」 最寄りのポリスボックスに連行された俺たちが、しばらくして解放される。 Otaku文化を勘違いした外人娘とその世話役、と思われたらしい。 「やれやれ、とんだめにあった」 「Sorry、キャプテン」 連れだって肩を落として電気街の夜景の元を歩く俺たちだが、 その前に、日本人の少女が立ちふさがった。 「私に、何か御用ですか」 取り違えた!? 彼女も、俺たちが誤認したOtaku と似たファッションに身を包んでいた。

さかいきしお

コメント (2)

Lsream
2023年08月15日 13時34分
知愛
2023年08月15日 12時54分

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