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遠雷

2024年10月26日 15時01分
使用モデル名:ProfiteroleMix
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト
参加お題:

今日は空模様が怪しい日でした。雨が近づいているのかもしれません。機材が濡れたら困るので、私は早めに屋外撮影を切り上げて帰る事にしました。 「あれ、シリアちゃんかな?」 高台の公園を通りかかると、シリアちゃんが遠く西の空を見つめて立っています。その空は黒く、分厚い雲がたちこめていて、雨の気配を色濃く含んでいました。 「傘持ってなさそうだし、一声かけておこうかな」 そう考えた私が近づくと、空が光りました。数秒遅れてゴロゴロと雷鳴が響いてきます。遠雷というやつですね。その雷鳴が聞こえたと思ったら、シリアちゃんがぼそりと呟きました。 「開戦(はじ)まったようね・・・」 はじまった・・・?何がでしょう。見たいテレビとか?まあ、聞いてみれば分かる事です。 「こんにちは、シリアちゃん」 「ふぁひゃい!か、カメラマンさん!?驚かさないでくれるかしら!」 驚きの悲鳴を上げたシリアちゃんは、こちらに抗議の視線を向けてきます。 「ごめん、雨が降りそうなのに佇んでるから一声かけておこうと思って」 「そ、そう。それは親切にありがとう」 シリアちゃんは目を閉じてフッと笑います。 「ところで、何がはじまったの?」 「あああああ!」 シリアちゃんは突然叫ぶと私にげしげしとローキックを繰り出してきました。 「痛い痛い!こら、やめなさい!執拗に膝を狙わないで!」 「悪趣味よ、人の独り言に耳を傾けているなんて!」 顔を赤面させながらローキックを繰り出すシリアちゃん。彼女から逃げながら、私は弁解します。 「いやだって、遠雷が鳴り出した空を見上げながら『はじまった』なんて何か意味深で」 「深い意味なんてないわよバカ!」 あ、ちょっとテンションが先輩といる時に寄ってきた。もしかして、照れたり恥ずかしかったりすると普段のクールが崩れるのかなこの子。 「ふ、深い意味がないならいいんだ。雨が降る前に帰るんだよ」 「大きなお世話よ!」 去り際の言葉を残して離れていくと、シリアちゃんが追いかけてくるのをやめたので、私はようやく呼吸を整えました。 「はあ・・・何だったんだろう」 ●同刻、凪とシリアより70m後方 「ふふ、凪さん、あの人と仲良さそうだなぁ」 鈴白瑞葵は、さっきまでの二人のじゃれ合いを思い返した。 「蹴りをいれるなんて、それなりに信頼関係のある間柄じゃなければ成立しないコミュニケーションだよね。犬猿の仲には見えなかったから、きっとあの二人は仲良しなんだ」 瑞葵の目が細められ、口角が上がる。 「仲良し、仲良し。ふふ、だめだよ凪さん。あんまり私以外の人と仲良くするなんて。そういうの、やー、です・・・なんてね」 瑞葵は踵を返して、シリアや凪に出会わないようにこの場を離れていく。 遠雷が、再び鳴り響いた。

コメント (5)

thi

シリアさんが可愛いすぎなのに、瑞葵さんが怖すぎます

2024年10月26日 23時54分
Jutaro009
2024年10月26日 23時25分

早渚 凪

2024年10月26日 23時35分

CherryBlossom
2024年10月26日 23時05分

早渚 凪

2024年10月26日 23時35分

Sub
2024年10月26日 22時58分

早渚 凪

2024年10月26日 23時35分

五月雨
2024年10月26日 17時42分

早渚 凪

2024年10月26日 18時27分

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フォロワー

2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、基本的にR18作品はほぼ投稿しません。※運営様によってR18に分類される可能性はあります。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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