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ウンダバー_の へんないきものずかん!
ネプテニアンオクタゴン (Neptunian Octogon) 学名: Octopoda neptuniana 科: ネプテニア科 (Neptuniidae) 目: オクタゴン目 (Octogonida) 体長1.5m~2.0m 全長18m~30m 1880年、夏。 霧島県、蒼海市は清援町の浜に突如現れ 住人達を驚愕させた。 海の神と評するものもあれば、人畜に害をなし 天災を巻き起こす魔性とする声もあり 巷では混迷を極める騒動となる。 不明瞭ではあるが、言語の様な規則性のある鳴啼を発し 人間に対し害意のある行動は認められなかったものの その巨大さ、知性の有無の不確実さから 青年自警団による現場での判断によって射殺された。 3か月後、急激な海底火山の噴火による 海手結岩盤の隆起に起因する大規模な海面上昇により 岸海に俗する蒼海市は一夜にして波にのまれ その所在は地図上から消え去ることとなった。 大災害への警告をむげにした為であろうか それとも同族を殺された恨みからの報復であったのかは 真実を知る術はもはや存在しない。 110年後、1993年。 旧霧島県海岸を航行中のトロール船ニャンポコ丸の漁網に 当該種と思われる生物の死骸がかかりニュースとなった。 死骸はただちにJBIRO(日本多様生物研究所)に収容され 5年10か月にわたる協議と調査の結果、その生態について 地球上に存在する地球上の資質を摂取還元し 自然活動の一部として生命活動を営むことから 地球在来を所以とする新種の生物である、と当該種を新種と認め 正式な学名が与えられることとなった。 地球外生命体を思わせるリング状の眼瞼部が ことさら天王星の環の形容を呈する事から、 ネプテニアオクタゴスと名付けられた当該種は 以後の調査により同種と思われる生体の目撃、発見を経て これまでに18体の標本、雌雄2体の生存個体が収容されており JBIRO監修のもと人工的な繁殖にも成功している。 ・巨大な目 外側に存在する巨大な目は神経管との 直接的な接続はみとめられず、 おもに外敵への威嚇や求愛に用いる器官と思われる。 巨大な眼球状の器官の内側に存在する二対の小さな 目の様なものは嗅覚を司る粘膜器であり海水と触れることで 酸素を取り込む役割も果たしている。 興奮すると大きく開くため、威嚇としての役割もあるとされる。 眼球の所在はみとめられず視力は無いものとおもわれる。 ・後頭部 頭部のように見える部位には 主要臓器を収めた内腔部がみとめられ、柔軟性に富む 多層構造の厚い筋膜によって保護されている。 陸上活動時には硬く締まり臓器を固定する。 ライバルや外敵と戦闘では特に固く締まり 鈍器のように振り回す姿も確認されている。 ・脳 死亡した個体の解剖の結果、脳髄の所在はみとめられず 48部位におよぶ末梢神経節と思しき複数の器官がみとめられた。 脳室と思われる内腔部がみとめられたが、いくつかの主要神経節との 接続の痕跡がみとめられたものの、その内部は空洞であった。 死亡時、口腔内に精液を思わせる粘性のある白濁液が溜まることから おそらく死亡とともに急速に溶け流れ出たものとおもわれる。 カスタードプリンのにおいがしたそう。 ・食性 JBIROの研究によって雑食性である事がわかっている。 頭部の下側、多数の触手の中央に大きな開口部がみとめられ 肉、菜類、根菜、なんでも摂取し消化することがわかっているが 肉の代わりに菜類を与え続けた個体は雑食を与えた個体と比べ はるかに短命であったことから食肉性を好むものと思われる。 オムライスを与えた結果、卵膜とチキンライスを器用に剥離して タマネギとグリンピースだけを残したという報告がなされている。 ・生殖 明確な雌雄の区別はないと思われる。 ある日突然1体増えていたと思ったら次の日には居なくなっている また、昨晩が4体だったものが翌朝に18体に増殖していたという報告もあり繁殖に関しては至極く節操の無く、ふしだらであるとみとめられた。 また、女性職員の乳房の先端や生殖器に強い関心を示す個体が多く 職務中の数人の職員に性被害が発生したという噂がある。 一部臓器を除く全身が食用に適し、味はカニに似て美味だという。