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オークと白髪中年と

「どうした、ゴルドン君」 中年の貴族の剣士が、オークの戦士相手に木剣を突き付けている。 「うぬ・・・・・・」 人間とオーク、人間の貴族である彼と比べて、オークは頭二つ分は大柄で、筋肉の塊のような体つきで、体重は3倍以上あるかもしえない。 それこそ、オークの素手での一撃で、貴族の剣士を叩き潰せそうな体格差がある。 しかし、オークの体には木剣による傷がいくつも浮かんでいるのに、中年の貴族の剣士は、わずかに汗を浮かべているだけだ。 1枚上どころか2枚は、剣士としての腕の差があるかもしれない。 戦士としての素養は別かもしれないが。 「ゴルドン君、なぜ、内功術を使わない?君はエンハンサーの修行を積んでいるだろう」 「最初の一撃で我は首を刎ねられていたはずだ。そうなってしまっては、術の有無は関係あるまい……」 王城に任務の報告で訪れたアーゼリンの供として、待機していたゴルドンは、中年の貴族に声を掛けられた。 ゴルドンは、細身な体つきのその中年期族が、ただ物でないことを見取って、手合わせ受け入れたのだが。 中年貴族の実力は見立て以上だった。 初めに強烈で鋭い一撃を受けてから、まだ一本もゴルドンは取れていない。 「君は、自分の母君の目を信じないのか。母君が選んだ男に、全力を出さないで勝てると思うのか」 「ぬう、貴殿が人間の親父殿か……」 オークにとって親父とは、自分の父親以上に、部族の族長を表す言葉だ。 中年貴族はその言葉に、ちょっと困った顔をする。 「参らせていただこう。親父殿」 ゴルドンは、鎧を脱ぎ捨てると、精神を統一させる。 別に内功術の技というわけではい。戦士、剣士として共通する、決死の覚悟の一撃を振うための集中法だ。 オークとは思えない素早さと器用さで振われた木剣は、確かに中年の貴族に、人間の”親父殿”に届いた。 「さすがは私の愛しいアーゼリンの息子だ……」 一本を届かせたが、それまでに受けたダメージと疲労のために、崩れ落ちたオークの若者を見ながら呟く。 「シルビアちゃんと、血がつながっているのが残念で仕方ないな……」 打って変わって飄々とした言葉で続ける、中年貴族だったが、その表情は真剣だった。

さかいきしお

コメント (7)

のんですの♪

これは良きイケメン!

2024年01月09日 09時02分
にしのみつてる@猫変化2021
2024年01月08日 10時26分
さかいきしお

中年貴族は、ファイター9レベルあります(最大10レベル)。ファイター一本伸ばし。そのぐらいないとダークエルフの美女を恋人にできませんw

2024年01月08日 02時22分
ガボドゲ
2024年01月08日 02時11分
ぬかづけ
2024年01月07日 19時28分
WEED
2024年01月07日 15時50分
bonkotu3
2024年01月07日 14時58分

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