thumbnailthumbnail-0thumbnail-1thumbnail-2thumbnail-3thumbnail-4thumbnail-5thumbnail-6thumbnail-7thumbnail-8thumbnail-9

1 / 10

黒天使の分け前

米空母 CVN-82 ドナルド・ジョン・トランプ 薄暗いCIC(戦闘指揮所)中に、青年士官の緊迫した声が響き渡る。 「支援攻撃中のF-18がロストしました」 空母艦載機のうちの一つが、撃墜されたらしい。 「近くにいる部隊は?」 CICに詰めている上官が確認する 「ヘリ部隊、陸上部隊共に急行はできますが、 あの辺りは民兵組織との戦闘地域です。 すぐに民兵に接触されます。 交戦して、支配領域に踏み分けられる最寄りの部隊は・・・、 ブラックピースしかいません」 米軍機が撃墜された辺りは、各種勢力が入り組んでいる。 ある部隊によっては、割とすんなり分け入ることができるが、 別の部隊だと激しい抵抗にあう可能性もありうる。 「あの、ガールスカウトたちか……」 白羽の矢が当たったのが、年若い女性で構成された偵察部隊、ブラックピースだ。 どうも指令は、彼女たちに対して、否定的なようだが。 「やむをえん。あまり借りは作りたくないが。直ちに救援を要請しろ。 回収のヘリと、バックアップの部隊は準備をしとけ」 「アイサー」 「軍曹、一個分隊を率いて、包囲に移ろうとしている敵軍を遮断してください」 「了解」 「伍長、一個分隊は、救出班のバックアップを。もう一個 分隊は私が率いてパイロットを救出します」 「わかったわ」 金髪ポニーテールの少尉の指揮のもと、敵部隊との交戦を交えながら、撃墜されたパイロットは救出される。 パイロットは、救難ヘリコプターのクルー共々、戦場の黒い守護天使たちに礼を言っていた。 数日後 ヘリコプターから荷物共々降り立った例のパイロットに、ブラックピースの若い女性隊員たちが歓声を上げながら、押し寄せている。 「何でしょうか。あれは」 「彼らの伝統さ。彼らは老若男女、一兵卒から提督様に至るまでアイスクリームが大好きでね。 空母とかでかい船には、アイスクリーム製造機があるぐらいだ」 今回救助したパイロットは空母に乗っているわけだが。 「空母はともかく、他の小艦艇や陸上部隊にはそんなものはない。 だから、命を助けてもらったお礼にアイスクリームをたくさん作って届けるんだとよ そのアイスの重さは、助けられたパイロットと同じ重さ、にするらしいぜ」 そこまで聞いて、金髪ポニーテールの副官は、楽しそうに笑って言う 「そっか、地獄の鬼たちに食べられてしまうはずの彼の体を、私たちが山分けして食べるってことですね」 「そうだよ。お前も奴の骨肉を貪り食ってこい」 「隊長も一緒に食べるんですよ」 副長は、隊長の先に立つと、生者に群がる黒天使の輪に加わった。

さかいきしお

コメント (3)

yuyu
2023年08月27日 23時16分
Aika
2023年08月27日 08時52分
知愛

⑥枚目が

2023年08月27日 01時59分

816

フォロワー

おすすめ

新規コメント

sticker
4時間前
sticker
7時間前

パステルカラーかわいすぎる( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

sticker
9時間前
sticker
10時間前
sticker
10時間前
sticker
10時間前
sticker
10時間前
sticker
17時間前