脚を直してくれたのは嬉しいのだけど…何を考えているのかしら?
僕の仕えるお嬢様はとにかく人形に目がない。 大きいものや小さいもの、機械仕掛けのものや陶器製のものなど、 面白い人形を見つけると自分の目で確かめて、 引き取れるものは交渉して買い取って来る。 今回は脚を破壊されて飼われていた人形。 逃げ出せないようにしていろいろと遊ばれていたようだ。 トラウマレベルの心の傷を負っていても不思議ではないが、 本人はそんなこと気にしていないらしい。 それよりも脚を直して自由にさせているお嬢様のやり方に疑いの目を向けているらしい。 人間が自分の利に繋がらないことを無償でやることが信じられないと言った面持ちだ。 そんな考えも直に晴れると思う。 だって、ここには君のようにお嬢様に救われた人形たちが自由に暮らしているんだから。 裏表なんてない。 お嬢様はただの人形マニアだよ。