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あるアンドロイドの物語2
僕は気がつくと病院のベッドで寝かされていた。 ベッドの上でぼーっとしていると通称R21と呼ばれているタイプの医療用アンドロイドが様子を見に来てくれた。 僕はR21に彼女の安否を聞いたが、R21はわからないというだけで答えを聞くことができなかった。 ただ、断続的に僕が退避していたシェルターの座標を送信しつづけていた味方機体がいたこと。座標は受信開始から数時間後を最後にロストしたこと。今回最後まで前線を押し返した機体は彼女ではなく。最新の戦闘用アンドロイドX002であったことを聞かされた。 僕は唖然としてしまった。 彼女の安否を確定する情報はなかったが、話を総合すると彼女が撃破されているということになる。 僕は彼女がどうしてもいなくなるとは思えなかったのだ…。 こんな状況。人から見たら単なる現実逃避と言われるかもしれない。 だが、こんな状況でも彼女は生き延びている。と信じている自分がいた。 R21によると僕は極限状態と極度のストレス下に晒され続けた結果、肉体的にも精神的にも深い傷を負っており、しばらく入院が必要だと言われたが、 僕はただただベッドでR21の診察を心ここにない状態で受けるのであった…。