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あるアンドロイドの物語1
『あはは!君は強い子だろ?泣くのはやめて後はお姉ちゃんに任せてシェルターに隠れているんだ。いいね?』 すでに予備弾薬は尽き果て装填済みの弾薬のみ。アンドロイドの外骨格はひび割れ腕は既にない状態となり満身創痍を思わせるが、彼女は自信満々に言った。 僕に不安や恐怖はなかった。なぜなら彼女はどんな絶望的な状況でも最後には必ず勝利をするからだ。 『迎えに来てくれるの待っているから!』 彼女は僕に微笑みかけると後は振り返らずに戦場に向かって行った。 僕はシェルターのなかで静かに彼女が迎えに来るのを待っていた。 シェルターの外からは地面を揺らす強い衝撃や銃撃のような音が断続的に聞こえていたが、最後に一際大きな爆発音と振動が起きた後、全くの無音になった。 あれからどれくらい経ったのだろう。いつのまにか疲労で意識を失っていたようだ。