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本物の魔法少女
「シルビア准導師。遺跡から発掘された書籍ぢゃ」 スケベジジイ、ことオールドスレイマンが、机の上に置かれた書籍の入った箱をを見つめながら言う。 「まだ、中は改めておらんが、禁書に類するものがあるかもしれん。おんしに、また改めて貰おうとおもうての」 「えっ、またですか……」 シルビアは、いやそうな顔をするが、よく見ると口元が綻んでいる 「まあ、急ぎでもなし。じっくり時間をかけても良いぞよ」 そこで、賢者の学院の最高導師は、にたりと笑いを浮かべるのだが 「はっ、はい。お任せください」 すでに、本の中身に興味が飛んでいるシルビアは、スケベジジイの意味に気付かなかった 「こっ、これは・・・・・・」 可愛らしい見た目の、やけに美麗な表紙が描かれた本に最初警戒したシルビアだが。 「変わっているわね。右と地右開き?この細かい絵画でストーリーを表して……。 この縦書きの文字、この人物が喋っている、と言う事かしら」 そこで、シルビアはまじまじと縦書き文字を読む。 「絵だけでも何となくわかるけど。学院生の男女の話みたいね。まだ子供、中等部位かしら」 やけに角ばった画数の多い文字と、曲線主体の画数の少ない文字の組み合わせだ。 「東方文字、の一種みたいね。難しいわ……」 『英知の魔力よ 文字に編み込まれし 人の意思を解き明かせ トランスレイト(翻訳)』 普通の解読をあきらめたシルビアは、ズルをすることにした。 果たして・・・・・・ 「こっ、これは・・・・・・」 「魔法少女、可愛いわね。魔法使い(ソーサラー)とは違うのね、とこんな感じかしら」 ”クリエイトイメージ” 無意味に魔法を使ってしまうほど感情移入してしまうシルビア。 とそこに。 「おや、漫画か。なつかしいな・・・・・・」 いきなりかけられた声にシルビアは固まる。 「あの大戦までは、結構目にしたものだがな。すべてなくなってしまった」 「・・・・・・」 褐色の美女は、そのままパラパラと魔法少女が描かれたマンガ本をめくる。 固まったまま動かないシルビア。 「うん?シルビア、その格好、お前もクリピュアが気に入ったのか。私も好きだっ」 「バカ~!!出て行って!!」 シルビアは、魔法少女の姿のまま絶叫を上げながら、マンガ本を投げつけるのだった