thumbnailthumbnail-0

モノガタリのウラガワ

2023年11月01日 14時41分
使用モデル名:CustomModel(その他)
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト

人々を見守り、そして魔に打ち克つ力を授ける女神。 彼女は魔王が生まれ人々が、世界から希望が失われる度に現れ神託と聖剣を授け、勇者を導き世界に希望を齎す。 何度討伐しても新たな魔王が生まれるが、彼女は人々の為に何度でも力を授け導く。魔を滅し、世界に本当の平和が齎されるその日まで、それが例え永遠だとしても彼女は人々と共にあり続けるだろう。 人々を見守り続けてくれる女神に感謝を捧げた者達が集まり、この世界で唯一の女神を崇拝する宗教が生まれた。 この女神はこの世界に生きるすべての者から崇拝されており、多くの国で国教として定められている。 ---------- -------- ------ ---- -- 「あぁ、愛しい人々。お前達の為に私は何度でも力を貸そう。人々は矮小で、愚かで、醜い。だからこそ愛おしいのだ。 お前達にこそ感謝しているよ。お前達がいるお陰で私は女神なのだから」 聖域にて、女神は水晶を通して世界を見渡しながら一人嗤う。 「あぁ、本当に人は面白い。私が初めて自分の意志で命じた勇者も最初はつまらない者だった。無感情で、無気力で、まるで人形のようだった。…しかし、剣姫と想いを通わせて彼は変わった。愛を知り、そのために戦った。そして…最愛の人は自分が守った人間達に凌辱され、そして目の前で殺された。 その時の慟哭と異形化の瞬間は身体に電流が走るかのようだった。あれほどの快感は今まで味わったことがない…! しかし、何を思ったのか人間を殺すの止め、牧場を作り家畜化するとは。それでは人間が減らない。聖剣が生まれないではないか…。あぁ、でも前代の勇者の時からそうだったか。…何かシステムに変化が起きたのか?どちらにせよ、あの魔王は殺さなくてはならない。これでは新しいモノガタリが生まれない」 女神がそういって水晶に魔王と側近の姿を映す。二人は玉座で牧場の管理の報告を聞いていた。 「それで俺が呼ばれたってわけか。いいぜぇ、馬鹿みてぇ力だけじゃなくて報酬もくれるってんならやらない理由もない」 「おぉ、きたか…新しい勇者よ。この世界を救うためにお前の力が必要だ」 女神がそう煽てるが勇者は興味なさそうに流し、しかし水晶に映る女性の姿を見て目の色を変えた。 「…やっぱ報酬はいらなぇ。その代わりこの女をもらう」 「ほう?いいだろう。ではこうしよう。もし魔王を生け捕りに出来たら私の権能でこの女に隷属の魔法をかけよう。神が施す魔法だ、お前の命令に絶対服従し、お前の言葉で感情さえ支配できるだろう」 「いいだろう。生け捕りしてやるよ」 目の色を変えた勇者がこの場を後にすると女神は笑みを浮かべる。 「ふふ…なぜか知らぬが好都合だ。魔王を生け捕りにし、何重にも弱体化の魔法をかけた上でコロシアムで戦わせよう。そして優勝すれば女を返してやると、そう吹き込むのだ。そしてあの男に女を与え、身も心も捧げさせる。必死に戦い優勝したあいつの下に隷属した彼女を見せつければ…きっとあの時に勝るとも劣らない叫びをあげるだろう。その時に首をはね、保存すれば何度だって楽しめる。ふふ…楽しみだ」 女神を名乗るソレは自分の定めた未来を思い浮かべ、嗤う。すべては彼女が書いたモノガタリ。彼女がそうだと決めた以上、それに逆らうことは許されない。 ----------------------- 「…これが前代の魔王が遺したモノか」 「この世界のカラクリを見抜き、そして布石まで打つとは大したものだな」 魔王は側近と共に前代の魔王が遺したモノを解読し、ソレが保管されている場所にたどり着いた。 現在玉座にいるのは幻惑魔法によって見た目をそっくりなものに変えただけの偽物である。 「…聖剣、か。もし聖剣が俺を認めれば力が手に入るが…魔王となった者に扱えるとは思えないな」 「いや、お前なら扱えるさ。お前は何も変わってはいない。ソレはお前のものだ」 まるで確信しているかのような側近の言葉に魔王は首を傾げるが、それよりも目の前の封じられた聖剣に意識を集中させる。 結晶の中に封じられた聖剣に手を伸ばすとそれは光り輝き、次の瞬間消えてしまった。 「…ダメか」 「どうだろうな。だが、ダメだったとしても関係はない。次の布石の為に動くしかない。諦めるつもりはないだろう?」 「あぁ、そうだな」 魔王はふと、彼女の物言いにかつての剣姫と重なると思った。しかし彼女は既に死に、今目の前にいるのは彼女にそっくりなだけの別人。そう言い聞かせてその場を後にした。 …長い! 今回は都合もあって滅茶苦茶長くなりました。 これはモノガタリのツヅキから繋がるシリーズです。既に残りも出来上がったので一気に投稿しようか…と考えてます。 今回はこの世界で唯一の女神です。彼女は新たな勇者を選定し、今代の魔王討伐を命じます。世界を、人々を救うためですね。なんて茶番だろう。

ー零ー

コメント (0)

11

フォロワー

AIイラスト専門です。 pixivでも投稿しております。

おすすめ

新規コメント

sticker
11時間前
sticker
13時間前
sticker
13時間前
sticker
14時間前
sticker
17時間前
sticker
17時間前
sticker
17時間前
sticker
1日前