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怨念
(心霊スポットで有名な古びた館に1組のカップルが入り込んだ) 彼女「ヤバ、怖すぎるんだけど、ねぇ帰ろうよ?」 彼氏「大丈夫だって、幽霊なんて居るわけ無いよ」 (廊下を歩くカップルの背後から、音も気配も無く何かが近付いて行く) 彼女「ねぇ、何か急に寒くなった?」 彼氏「た、確かに寒いな、今は夏だぞ?」 (カップルのすぐ背後から、血の気の失せた女性がヌルリと、カップルの間に顔を出し、決め台詞を言おうと口を開いた瞬間!) 彼氏「怨念が居んねん!」(怖がる彼女を笑わせようと) オバケ「ぶふーっ!!」 彼氏彼女「「ぎゃあぁぁぁあああ!!!」」 (カップルは全力疾走で帰って行った) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー オバケ1「ねえw!今の聞いた?怨念が居んねん!だって!www」 オバケ2「お、怨念がww居んねんwww」 オバケ3「あっひゃひゃひゃ!待ってw 笑い死ぬww」 オバケ4「あ〜ww面白過ぎだって〜!次の人間が来たら使おっと♪」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (数日後、新たに別のカップルが館に入り込んで来た) (真っ暗な館の一本道の廊下を懐中電灯で照らしながら歩いている) 彼女「うわ〜、雰囲気ヤバ過ぎ〜」 彼氏「マジで出そうじゃん!怖え〜」 彼女「何か寒くない?夏なのにこの館の中、寒すぎでしょ?」 彼氏「確かに、なんだかどんどん寒くなっていってる気がする」 彼女「ねぇ、これ大丈夫?もしかして本当にオバケが出るんじゃない?ほらオバケが居ると気温が下がるって言うし、もしかして」 オバケ「怨念が居んねん」ボソッ 彼女「もう!バカな事言ってないでちゃんと前を照らして、」 彼氏「お、おい、今の、俺じゃ無い、、、」 (真っ暗な廊下の何処かから、クスクスと不気味な啜り笑う声が聴こえてくる) 彼女「や、やだ、何これっ!?」 彼氏「あ、ああっ、」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル 「アッヒャヒャヒャヒャッ!」 (今度は、まるで怖がる2人を嘲笑うかの様に陽気な笑い声が廊下に響いた) 彼女「いやぁー!!」(腰を抜かして座り込む) 彼氏「うわああぁぁぁ!」(彼女を置いて来た道を逃げていく) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー オバケ1「お!次の人間が来たぞ!またカップルみたい」 オバケ2「ふふっ、怖がってる怖がってる♪」 オバケ3「そろそろいいんじゃね?いけオバケ4!」 (こっそり近付き、カップルの背後から) オバケ4「怨念が居んねん」ボソッ (必死に笑いを押し殺すオバケ達) オバケ1「ぷっ、くくっ、」クスクス オバケ2「ふふっ、ダメ、我慢しないとw」クスクス オバケ3「クスクス、静かにしないと、聞こえちゃうぞ?」クスクス オバケ1「もう、無理っ!アッヒャヒャヒャヒャ」(*ˊᗜˋ*)w𐤔 オバケ2「おいおい、彼氏が逃げちゃったぞ!?」 オバケ3「まあ、女の子の方が残ってるからもう少し脅かしてやるか」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (彼氏に置いて行かれた彼女は、腰が抜けて立てずに居た) 彼女「いやっ!嘘でしょ!?置いて行かないでよ!」 (懐中電灯を持ったまま逃げた彼氏からの返答は無い) 彼女「やだ、怖いよ!お家に帰りたい!ママッ、パパっ!誰でもいいから助けてよぉ!」 「おーい、大丈夫かー?」 (廊下の奥から彼氏の声が聴こえて来た) 彼女「ぐすっ、○○○(彼氏の名前)なの?よ、良かったぁ!私、死ぬほど怖かったんだからぁ!」˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓︎˂̣̣̥ )‧º·˚ (明かりの無い真っ暗な廊下の奥からゆっくりと歩いてくる彼氏のシルエットが、窓から差し込む月明かりに照らされ薄っすらと見える) 彼女「戻って来てくれて本当に良かったよぉ!」 (彼氏はゆっくりと近付居てくる、窓から差し込む月明かりによって彼氏の姿が照らされるが、ちょうど顔だけは影になって見えなかったが、彼氏のトレードマークである四角い眼鏡が光っている) 彼女「てか、置いて行くって酷くない!?私1人で本当に怖かったんだから!」 (彼女は1人の恐怖の中、彼氏が来てくれた嬉しさと安心感によりだいぶ落ち着いてきた、すると次第に置いて行かれた怒りが込み上げて来た) 彼女「ねぇ、返事くらいしてよ!」 (彼氏はゆっくりと近付いて来る) 彼女「ね、ねえってば!もう怒らないから、」 (彼氏はゆっくりと近付いて来る、とても落ち着いた様子で歩いている、さっきは彼女を置いて逃げるほど怖がって居たのに) 彼女「あ、あれ?てか何で廊下の奥から来たの?、、だって私達が来たのは、後ろの玄関の筈なのに、、」 (彼氏が目の前まで来た、座り込む彼女の目の前に立っているが、ついさっきまで窓から差し込んでいた月明かりはいつの間にか雲に隠れ、廊下は真っ暗な闇に染まっている、 そしてほとんど見えない闇の中で彼氏がしゃがみ彼女の顔を覗き込んでいるのが気配で分かった) 彼女「ね、ねえ、何か言ってよ、ほ、本当に○○○だよね?」 (ドカンッ!と窓の外に雷が落ち、一瞬だけ彼氏の姿が照らされた、彼の顔は無かった、まるで削ぎ落とされた様な真っ黒な断面が彼女の目の前にあった! 彼氏は眼鏡を外しながら何かを言っているが彼女の悲鳴と窓を殴る様に降り注ぐ雨によって彼女の耳には届かなかった) 彼女「いやぁぁああああ!!!!」 オバケ「眼鏡を外したら目がねぇ!顔も無いけど」 (恐怖のあまり、彼女の心臓は限界を迎え、糸が切れたかの様に彼女が床に崩れ落ちる) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー オバケ1「お、おい、彼女倒れたぞ!?」 オバケ2「し、死んでる!?」 オバケ3「じ、じじじ人工呼吸しなきゃ!」 オバケ4「お、落ち着け!オバケの俺達じゃ触れられないだろ!こういう時は冷静にならないと!そこのオバケは119番に電話をお願いします!そっちのオバケはAEDを持ってきて下さい!貴方は〜」 オバケ1「オバケ4、お前こそ落ち着け!見た感じ彼女の心臓がショックで止まったらしい!すぐに病院に連れて行かないと!」 オバケ2「触れられ無いのにどうやって!?ポルターガイストは生きた人間には使えないし」 オバケ3「まて、今の彼女は肉体に魂がまだ残ってるけど、言っちゃえば死体だろ?それなら多少は動かせれるかも!」 オバケ4「とにかく時間が無い!1分1秒を争う状況だ!ポルターガイストを使えるオバケを集めろ!」 オバケ1「オバケ2〜4は何とかして彼女をこのバスタブに入れろ!オバケ5〜9は協力してポルターガイストで彼女をバスタブごと病院まで運ぶぞ!絶対に救ってみせる!」 オバケ達「「「おおー!!」」」 (深夜の病院のフロントに突如、少女が入ったバスタブが飛び込んで来た!パニックになりながらも、優秀な看護婦と医師により、彼女は一命を取り留めた、しかしショックのせいで丸一日分の記憶と彼氏に関する記憶が無くなって居た) (一方、彼氏は館から逃げる際に) まさかの文字数制限に達してしまった