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反逆
王女は処刑執行の合図を伝える場で初めて自らの意思で反逆する。 「私はこれ以上、摂政の言いなりになることはできません。摂政は私を傀儡として、この国を私腹を肥やすために利用してきました。民に重税を課し、飢えや病に苦しむ者を見捨て、反対する者を殺害しました。」 「これは私の父である先王の遺志に反するものです。私はこの国の王女として、民のために戦います。」 王女から突然の告発に処刑を見にきていた民たちは一瞬静まり返りましたが、次第に王女の名を讃える言葉が広まり、いつのまにか大合唱のように処刑場を包み込みました。 この光景に摂政の顔は青ざめ。表情は絶望へと変わっていきました。自分の傀儡としてしか見ていなかった小娘にこの土壇場で反逆されるとは夢にも思っていなかったのです。 王女は続けます。 「この騎士は私に忠実に仕えてくれた唯一の人であるが故に摂政は邪魔な騎士を排除するために冤罪を被せたのです。 私はこの忠臣を助けることを命令します。」 「摂政、あなたはこの国。民の敵です。あなたにはもう権力はありません。だれぞこの反逆者を引っ立てなさい。」 まわりは歓声につつまれ、摂政は連行されていきました。