241025
ママとまたケンカした。ケンカと言ってもいつもみたいに、私の話なんて全然聞いてくれないで、ただ怒られるばっかり。私の声なんて、空気みたいに無視される。涙が止まらない。胸が締めつけられて、息が苦しくて、頭がグラグラする。 怒りと悲しみ、そして無力感が心の中でぐちゃぐちゃに混ざってくる。何かを言おうとしても、言葉が出てこない。ただ泣いて、泣いて、それだけ。何も変わらない。 部屋に逃げ込んで、床に倒れこむ。なんで私がこんなに悪いの?どうして誰も私のことなんか気にしてくれないの?何も分からない。 手が震えるけど、カミソリを握る。太ももに軽く当てると、冷たい金属が肌に食い込んでいく。その瞬間、頭の中が少しだけ静かになる。この痛みだけが、私を現実に戻してくれる。 血がじわっと流れてくる。赤い線が太ももに刻まれて、その下からじんわりとした熱が広がる。それでも、すぐにまた苦しさが襲ってくる。止まらない。どうして私はこんなにダメなんだろう。どうして、誰も私を理解してくれないんだろう…。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 昨日、あんなことがあったのに、今日もいつもと変わらない朝が来た。目覚ましが鳴る前に起きて、制服に着替える。 昨日の傷が化膿していても、タイツを履けば隠せるから冬服はいいと思う。慣れた手つきでガーゼを当てたら包帯を巻いてタイツの下に隠す。 リビングに降りると、朝ごはんがテーブルに置いてある。でも、食べたくない。何も食べたくない。でも食べないとまた怒られるから、仕方なく一口、もう一口。何も味がしない。砂を噛んでいるみたい。家族はそれぞれ、忙しそうに動いている。誰も私を見ない。誰も気にしない。 学校に行く前にトイレに駆け込む。全部吐き出す。ゼロに戻すんだ。吐けばゼロカロリー。吐いた後は歯を磨いて、家を出る準備をした。