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スクラッチドールズ②(9枚)
(続き) これらのアンドロイドは寡黙に与えられたルーチンを消化することが目的であるため、装備やシステムは最低限のモノしか有していない。 コミュニケーションのために発声しようと口を動かす必要も無ければ、相手を伺って表情を変える必要も無いため、顔形は人間を模していてもあくまで人形であることに変わりはない。 なお、さすがに違和感・恐怖心を覚えるため、少々割高(約1.2倍)だが眼窩にガラス製の眼球を嵌め込んだタイプ(視線が追従しているように視える)が全体の4分の3を占めるようである。 低身長タイプは高身長タイプに比べて循環型の排熱機構を構築することが極めて困難であるため、多くは有機フィラメントを用いた排熱機構が一般的であり、自ずと「超々長黒髪」に落ち着く。稼働中は頭部周りが60度前後、身体も表面温度は50度を超えるものが多い。 複雑な演算処理を行わない機種の中には、①で紹介したような短髪タイプもわずかに存在するようだ。 電力を動力源とし、腹部中央のソケットを介して充電を行う。 当然、性行為を行う機能は無く、身体的な性徴は雌雄のタイプを判別可能な程度の造詣に留まるが、ある種特殊な性癖を持つ輩が、一方的に欲望のはけ口としてこれらアンドロイドを用いるケース(いわゆる「見抜き」)も散見されるとか・・・。 (ちなみに男児タイプもラインナップされているが、何故か圧倒的に女児タイプが普及している) 余談であるが「ソレ用途のアンドロイド」はこれらの比較にならないほど高価である(2ケタ違いがザラ)。 それらは熱を帯びた表情で見つめ、銀の鈴を転がすような声で啼き、適度な弾力と温もりを持った肌を擦り寄せ、幼膣を潤ませて所有者を誘惑するのだという。 参考価格:軽自動車(2020年・新車)程度