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スクラッチドールズ①(10枚)
底辺企業のサーバールームなどで働くアンドロイド。 「パーツ数=素体価格」であるため、極限までコストを切り詰めたい企業側はおのずと低身長タイプを用いる傾向にある。 作業服を着せることはおろか、必要最小限のメンテナンスも行われないような劣悪な環境。 アンドロイドたちにも個体名(インストール時に任意登録できるが個別の名称を付けて管理することは皆無)や認識番号は存在するのだが、現場では同じ顔(※)の個体を識別するのが面倒なため、自己修復機能を上書きする特殊なナイフで顔や身体に識別用の傷を付けられることから、「スクラッチドールズ」と呼ばれている。 ※これらアンドロイドは基本的に1体で納入されることは稀である。作業後に情報を共有すれば学習効果が向上するのも理由の一つであるが、多くは修理用の「パーツ取り」である。 同じ顔のアンドロイドが導入されるたび、傷もその数を増していくのである・・・。 ②に続く。