四段パンケーキ
「おかわりもちゃんと用意してるから、残さずたべてね!」 幼馴染のその言葉に俺は唾をゴクリと飲み込んだ。 これは\"美味しそう\"という意味ではなく、残った時の事を想像して……ああ、だめだ考えないよう、胃に詰め込まないと。 「ははっ……、ひかりの作るパンケーキ大好きだから嬉しいよー」 「ほんと!?すごい嬉しいなぁ!朝早く起きて庭のコケちゃんから卵をもらって作ったんだ~!小麦粉はおじいちゃんちで作ったやつなんだよ!も・ち・ろ・ん!私がしっかり手伝って愛を込めて育てたんだ~」 「へ、へ~、さすがはひかりだな!嬉しすぎて涙が出てきそうだ……そうだ!ひかりも一緒に食べないか?俺一人だけ食べてるのはちょっと寂しいかな~と思うんだけど」 T●KI●タイプの幼馴染に辟易しつつ、大量のパンケーキの処理を本人にお願いしてみる。…が、あえなく撃沈。 「ん~……朝早かったからなぁ、ちょっと仮眠したいの……いい?」 「あ、ああ、それなら仕方ないよな!俺の部屋で寝てていいぞ?」 「ほんとー!ありがと!じゃあちょっとだけ寝てくるね」 「おお、ゆっくり寝てな」 心の中でガッツポーズをとる俺氏。 完全に俺の部屋へ入った気配がしたのでキッチンから紙皿を持ってくる。 「さーて、食べる分だけ分けて……あとは紙皿に乗せて……アイテムボックスオープン!」 俺の持ってるアイテムボックスは時間も止まって保存されてるので食べる時はホカホカの状態で出てくる。ちなみにこのパンケーキはこれで99個目だ…… 「ドラゴンが寝てくれたことだし、ゆっくりとパンケーキ食いながら次のダンジョンどこにするか決めようかな」
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