俺のメイドがやって来た！

俺の名は猪狩健(たける)。平凡な高校生だ。この度、社会経験と いう事で一人暮らしを始めた。まあ、一通りの家事は出来るし、 俺も一人暮らしには憧れがあったので、これからの生活は楽しみ ではあった。そんな時、俺を訪ねてきた来客があった。 「はーい。(誰だろう・・・母さんかな？)・・・あ！」 「健！聞いたよ。一人暮らし始めたんだって？」 「・・・愛依！？」 そこにいたのは俺の幼馴染の女の子、水城愛依(めい)だった。 愛依は一言で言えば「才色兼備」。しっかり者の女の子だ。 小さい頃から一緒で、俺の親とも仲がいい。 「愛依・・・どうしてここに？」 「健のお母さんから頼まれたの。一人暮らし始めた健の様子を見てほしいって」 「母さん・・・心配なのは分かるけど、愛依に頼まなくても・・・ ごめんな愛依。・・・それにしても、なんでメイド服姿なんだ？」 「お世話するんだから、まずは形から入らないと・・・ね♪」 「はあ・・・」 俺は半ば呆れつつも、メイド姿の愛依を可愛いと思っていた。 「(うふふ・・・健のお母さんに頼まれたって言ったけど・・・本当は私 からお願いしたんだよね。お母さんも愛依ちゃんなら安心だって言って くれたし・・・だって・・・大好きな健と一緒に居たかったんだもの ・・・それに・・・健ってメイド服が好きなの知ってるんだから・・・ このまま健と過ごしてあわよくば・・・既成事実を作って・・・結婚して ・・・うふ、うふふふ・・・♥)」 「・・・愛依？どうしたの・」 「え！？い、いや、何でもないよ！？と、とにかく健の事は私がしっかり お世話するから安心して。ね？」 「あ、うん・・・まったく、一人暮らしを満喫できると思ったのに・・・ まあ、愛依の気持ちを無碍にするのも気が引けるし・・・ま、いいか」 これは一人暮らしを始めた男の子と、その男の子と結ばれる為に 奮闘する恋する女の子の物語である。