魔女の一撃

昔々、ある所に腰痛を発生させる魔法を使う魔女がおりました。その名はロンバルギス。彼女はワルプルギスの夜に現れ、人々に恐れられていたのです。 いかにして彼女は一撃必殺の魔法を手に入れたのでしょうか？ ロンバルギスは魔法都市で3年に一度開催される一級魔法使い試験に合格した際、特権として「どんな魔法でも授けられる」と告げられました。 彼女が望んだのは、なんと「相手の腰を良くしたり悪くしたりする魔法」。審査官たちは驚きましたが、ロンバルギスの志望動機を聞くと納得せざるを得ませんでした。 「私が生まれ育った村では、みんな腰を痛めて苦しんでいました。特にお爺さんたちは畑仕事もままならず、うめき声ばかりあげていたのです。私はそんなお爺さんたちを助けたい一心で、この魔法が必要なのです」 「なぜ腰をよくしたり悪くしたりの『悪くしたり』の部分が必要なのか？」と疑問に思いながらもロンバルギスの話を聞いた審査官たちは感銘を受け、彼女に「腰痛魔法」を授けました。しかしロンバルギスの真の目的は、自分に逆らう人間を苦しめることだったのです。 ロンバルギスは村に戻ると、腰痛魔法を乱用し始めました。 彼女に歯向かう者は容赦なく魔法をかけられ、ぎっくり腰に苦しめられます。やがて人々は彼女を「魔女の一撃（ぎっくり腰）」と恐れ、ロンバルギスの言いなりになっていきました。 ある日、一人のお爺さんが立ち上がりました。彼はロンバルギスに言いました。 「魔女よ、よくも私の腰を痛めおって！だがな、どれだけ苦しめられようと、この爺さんは屈しないぞ！」 するとロンバルギスは不敵な笑みを浮かべ、言うのです。 「ほう、言うではないか。ならば私の全力を見せてやろう！覚悟するがいい！」 こうしてロンバルギスとお爺さんの戦いが始まったのです。魔女は容赦なく腰痛魔法を繰り出しますが、お爺さんは伝説のコルセット「エクスカリパー」で耐え抜きます。 長く苦しい戦いの末、とうとうお爺さんは魔女を打ち倒したのです。村人たちは歓喜に沸き、お爺さんをたたえました。 ロンバルギスは村を追放され、姿を消しました。しかし、彼女の使った「魔女の一撃」という言葉は、今でも「ぎっくり腰」の代名詞として語り継がれているのです。