thumbnailthumbnail-0

【掌篇】魔術の師匠 4

2022年12月19日 14時56分
使用モデル名:AnythingV3
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト
デイリー入賞 88

魔法陣…そう、魔法陣だ。我々魔術師というのは、己の魔力を浸透させた魔紙に、魔術の構成を描き、更に魔力を加えて魔術を運用している。  歴戦の魔導騎士となれば大量の魔法陣を記載した魔紙を大量に綴って持ち歩いているものだし、王城では国を守る結界を超巨大な魔紙に刻んで、王族が魔力を流し国を守っているのだと聞いたことがある。  だがこれはなんだ?師匠は一体何をしているのだ?  彼女の指先が光りだしたかと思えば、なんと彼女は目の前の中空に魔法陣を描き出したのだ。えっ、魔紙って本当は要らないの?と思って兄弟子の方を見てみれば、彼も口をあんぐりと開けて目をかっぴらいていた。要るらしい。 「君たちも慣れればできるよ」  それは…一体何百年後の話だ? 「昔はみんな、こうして魔術を使っていたものだけどね」  そう語る師匠の目は遠くを見つめていた。彼女が1000年のときを生きる理外のひとであることは承知していたが、果たして彼女の語る『昔』とは何百年、あるいは何千年前のことなのだろうか。  師匠の指が、中空に魔法の円を描き終わる。これからこの魔方陣が発動するのだ。今この世に生きる、彼女以外の誰も真似できないであろう、人智を超えた魔術が。 「散らかった部屋を片付け、ほこりを払い、カビを落とす魔法ーーー!」  …掃除なら我々がしますから、世界最高峰の技術と魔力を生活雑貨のように使わないで下さい!!

コメント (0)

3

フォロワー

おすすめ

新規コメント

sticker
4時間前
sticker
6時間前
sticker
6時間前
sticker
7時間前
sticker
10時間前
sticker
10時間前
sticker
10時間前
sticker
18時間前