父と娘の裏表

事の発端は病で亡くなった妻の昔の写真や動画を見たいと娘にせがまれ 誤って私と妻のプレイの動画を娘に見られてしまった事だった 長らく使っていなかった自宅の隠し地下室 妻と使っていたこの部屋を今は娘と使っている 外では普通の親子だが この空間に入れば私の全ては娘の所有物となる 「今日も無様に醜く鳴いて気持ちよくさせてね？ 　哀れに見えるくらいがんばったらまたご褒美あげるからね、パパ」 そう言うと、手足の自由を奪われ床に転がされた私に蝋を垂らし始める ああ、間違いなくこの子は妻の血を強く引いている 悲鳴と歓喜の入り混じった奇声を発しながら私はそう思った 事が済み、この部屋を出ればまた普通の親子へと戻るのだ 私たちが親子の形として繕い演じているのは一体どちら側なのだろうか